「トパーズ勘兵衛」って知ってます?
- faloorafe
- 2024年9月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年9月17日
さて、問題です、日本ではどんな宝石が採れるかご存じですか?
有名な所では糸魚川の翡翠、山梨の水晶(日本式双晶)でしょうか?
日本ではあまり宝石が産出されていないと思っている方も多いかと思います。
ですが品質や数の程度こそあれ、実は日本でも数多くの宝石が採掘できます。
今回は、そんな日本の宝石採掘に尽力した人のお話…
「トパーズ勘兵衛」
さてさて、「トパーズ勘兵衛」というとなにやら不思議な呼び名ですが
れっきとした日本人のお話
そして舞台は岐阜県中津川市木積沢のとあるスズ鉱床での出来事です。
元々、中津川周辺の苗木地方では水晶が取れるのですが
その歴史は古く、徳川時代から採集・加工がされていたそうです。
この水晶の発掘を生業とした人々の中に今回の主人公「高木勘兵衛翁(以下、勘兵衛)」がいました。
実はこの勘兵衛…「金石舎」の創設者だそうで
宝石好きとして知られる宮沢賢治も「金石舎」に通ったそうです。

↑明治60年頃の「金石舎」かなり洋風な建物です。(参考サイト)
宮沢賢治が宝石好きだったことはまた今度お話するとして…勘兵衛の話に戻ります。
明治初年、東京で行われた博覧会で水晶を出品した勘兵衛は
大学教授で地質調査所長の和田維四郎と知り合います。
これが縁となって、苗木地方の砂鉄と異なる黒い砂が「スズ」である事が判明し
苗木地方ではスズの採掘がはじまります。
明治17年には、勘兵衛翁は上京東京神田に
「金石舎」金銀・宝石鉱物標本店を開業します。
今でいうパワーストーン屋さんみたいな感じですかね。
苗木地方のスズ鉱床は、様々な鉱物が採れました。
この鉱床でとれた鉱物の中で、ずっと水晶と思われていた鉱物の中に
「水晶」ではなく「トパーズ」があると判明すると
勘兵衛は、無傷の湯飲み茶碗ぐらいのトパーズと他約200個をもって明治25年、アメリカ・シカゴの世界博覧会に出品したそうです。
このアメリカ・シカゴ万博で銅牌を得ます。
この湯飲み茶碗のトパーズは直径5cm、高さ6cmのもので結晶面はやや擦れた跡があるものの、内部は無色透明、無傷のトパーズで1個5円から25円くらいに売れたそうです。
(現在の価格で、5万~25万円程度)

↑「苗木産トパーズ」参考サイト
その後、勘兵衛はトパーズの採集に力を注ぎ
郷里の人は勘兵衛を”トパーズ勘兵衛”と呼ぶようになりました。
現在、苗木地方ではスズの採掘はされていないのですが、中津川市のストーンミュージアム博石館では、原石採掘等の体験が出来るコーナーがあるそうです。
この他にも、奈良ではガーネットが採れたり
石英は日本中いたるところにあります。
宝石品質ではない物のルビーやサファイアがとれたといった報告もあり
以外と日本は宝石が採れる国なんですよ。
日本産…ではないのですが、「彫金工房Falò-orafe(ファロオラフェ)」では
バイヤーから直接仕入れた宝石を展示販売しております。
数は少ないですが、宝石を選んで自分の好きなデザインでアクセサリーをオーダーする
なんてことも可能です。
ご来店が難しい方には郵送でのご対応も承っております。
ジュエリー、アクセサリーの事で何か御座いましたら
お気軽にご相談ください。
彫金工房Falò-orafe(ファロオラフェ)
〒544-0014
大阪府大阪市生野区巽東2-5-32
定休日:木曜日 ※予約制
TEL:070-9057-0559
Comments